国内最大の水素製造能力をもつアルカリ水電解式を開発

株式会社東芝は、2016年7月14日、燃料電池自動車2台分の燃料に匹敵する水素約100N立方メートルを1時間で製造するアルカリ水電解式水素製造装置を開発したと発表した。この水素製造能力は国内最大である。

アルカリ水電解式は水の電気分解に高濃度の水酸化カリウム水溶液を用い、電極基材には貴金属を使用しないため、他方式より低コストでの装置の大規模化が可能になる。この電解液は氷点下で凍結しないため、寒冷地の使用にも耐える。

同社は、北海道白糠郡の庶路ダムで行う、小水力発電により水素を製造する実証事業で、同方式を用いて1時間で約35N立方メートルの水素を製造する装置を導入する。同事業では水素サプライチェーンの構築における環境負荷の低減や利便性を検証していく。

今後、アルカリ水電解式水素製造装置を水素ステーションをはじめとする水素インフラ事業向けに展開する方針で、今年度中に販売する予定。

同社は、他に、水中の酸素を隔膜外に移動させて水素を製造する固体酸化物形水蒸気電解式を開発している。アルカリ水電解式より高温下で化学反応し、製造効率の向上が期待できる次世代型の水素製造装置となる。

これらの方式をラインアップに加えて、多様なニーズに対応した水素製造装置を提供する体制を整えている。




株式会社東芝　プレスリリース
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