中規模病院で全館無線LAN環境を構築

戸田建設株式会社は、100床～300床の中規模病院をターゲットに、漏えい同軸ケーブル(Leaky Coaxial Cable　以下、LCX)を用いた「全館無線LANシステム」の構築技術を確立したことを2015年6月11日に発表した。

病院では規模の大小にかかわらず、無線LANの利用が急増している。医療用としては、電子カルテなど医療情報の電子化の普及により、院内各所でのパソコン、携帯端末からの閲覧、入力が必要になる。また、一般業務や患者向けサービスとしても無線LANのニーズは高まっている。

しかし、院内全体での無線LAN環境の構築には費用がかかる上に、一般的な無線LANの場合、病室の窓側では無線端末が利用不可になる、あるいはノートパソコンの作動中に病室間を移動すると動作しなくなるなどトラブルの可能性があった。

同社が確立したシステムでは日立電線ネットワークス株式会社が扱うLCX部材を使用している。このシステムは、一般的な無線LANより安価に構築でき、トラブルが軽減されて快適に、多用途での活用を可能にする。現在、システムの関連特許を出願中だ。

電波を漏らす性質をもつケーブル、LCXを無線LANのアンテナに活用することで、1台のアクセスポイントでのエリアを広範囲にし、同時に、省電力、コストダウン、安定通信を実現した。

一方で、LCXの利用には、配線経路の詳細な設計や複雑な配線工事、完成した建物や稼働中の病棟では施工が困難という課題がある。同社はこれまでの病院建築工事のノウハウから配線設計手法や実装工事手法を確立し、建築工事と一体化したケーブル敷設により課題を解決している。

すでに、さがみ仁和会病院（旧 仁和会相模原伊藤病院、神奈川県相模原市）で実装し、他に新築工事での複数案件を抱えている。今後も、同社は、この手法を新築工事や大規模改修工事に合わせて提案していく考えだ。

（画像はプレスリリースより）




戸田建設株式会社　プレスリリース
http://www.toda.co.jp/news/2015/20150611.html